伊集院光が、映画『ジュマンジ』が好きで、最新作も面白かったと言っていた。 Netflixで1作めを見てみた。
1つの作品で時系列が動く話は好きだ。とくに、昔の流行を再現したり、その時点での未来観を反映しているようなのは最高だ。現代で当然だと思っている未来観や過去観が間違っていることを思い出させてくれるからだ。 現代日本に暮らしていると未来に対して明るいイメージを持つのが難しい1)。 生まれたときからそうだったが、それ以外があることを知ると少し明るい気分になる。
1つの作品のなかで複数の時代を描くというのは、タイムスリップをテーマにした作品とかでよくある。 『バックトゥザフューチャー』とかはその典型だ。主人公は結果を変えるために未来、現代、過去を行き来する。要するにドラえもんと同じだ。 片田舎の風景は、時代によって全く異なった服装の人々や建物になっていき、現代以外では人々が当然だと思うことがとてもヘンに見える。現代だって、後から見るとヘンに見えるに違いないと悟らせてくれ、社会の束縛が少し緩む気がして、気分が明るくなる。 『ターミネーター』はドラえもんが殺し屋でくるバージョンで、タイムスリップのあるSFだが、意外と1つの映画内ではタイムスリップしてないから違う。あまり文化にもフィーチャーしていないしね。
タイムスリップが関係なくても年代が動くものもある。 知ってるなかでは『ゲームの達人』なんかがそのパターンにあたる2)。 何年もかけて何巻もあるような小説のパターンだ。非常にゆっくりと進み、連載の中で時代が移り替わるので、あまり時代の違いは注目されない。
ちょっとツッコミどころを残す、トータルとして予測不能な展開だと面白い。 カッチリしているのもいいけど、あまり印象にのこらなかったりする。
結構序盤に、え!?というタイミングで30年後〜になる。 こういうパターンもあるんだなと。 もうこの時点で方向性が全然読めなくて、新鮮。
その後もコメディで進むのか?と思いきや、バトル、家族の感動が待っていたり。
で…極めつけは「上がった」ときだ。 まさかの30年前に主人公ごと戻るという…。
30年分の記憶は残ってるわけで、え?いいの?子供に戻れるの?と笑った。
精神は30代で、少年として生きていくができていくのか…?ハッピーエンドな感じで終わったが彼のその後の人生がちょっと心配だった。『名探偵コナン』でコナンが味わっているだろうつまらないさと同じだ。中身高校生が小学生のフリして学校通うのって拷問だろうと思う。うんこー!とかにも笑わないといけないんだろ?それならいけるかも苦痛だ。
とくにヒロインの方は30年まったく普通に社会で生きてるわけで、フリは大変だ。
あと、30年後の未来で一緒にプレイした子供はまだ生まれてないワケで、なんかすごい気持ちわるい感じが…。 結局生まれて再開したのはいいんだが、彼らに記憶はないわけで、ちょっと未来が変わっていることを考えると子供たちはパラレルなのである。一緒にジュマンジをした子供たちのいた未来が、途切れている感じはすごい不気味な感じはする。ジュマンジをプレイした子供たちと、未来の子供たちは別人なのだ…。
そこらへんのツッコミどころを残しながらも、強引にいくのがいい。